10万円給付率96・7% 独自の申請書作った福知山市
2020年07月08日 のニュース
全国民に10万円が支給される特別定額給付金で、京都府福知山市が5月下旬に郵送申請の受け付けを始めてから1カ月余が経過した。対象約7万7300人に占める給付率は96・7%(3日現在)となっている。全国の給付率は同日現在で81・2%。
同日現在で、約1300世帯が未申請となっている。
市は未申請世帯に対し、6月19日に勧奨通知を出しており、今後も周知に努める。
申請締め切りの8月27日まで2カ月を切っている。市社会福祉課は「ほしい方がもらえないという事態は絶対に避けたい。忘れずに申請をお願いします」と呼びかけている。
特別定額給付金の支給は、新型コロナウイルス感染症に伴う国の緊急経済対策の一環で、国の今年度補正予算が4月30日に成立したことで支給ができるようになった。
しかし、申請の受け付けと支給開始時期は各市町村が決めるため、全国で対応に違いが生じた。申請書が分かりにくく、誤って「給付辞退」で申請してしまうケースや、二重に支払う給付ミス、オンライン申請中止などのトラブルも起きている。
福知山市は、5月7日からオンライン申請、同月28日から郵送申請の受け付けを開始した。
全国的に見て早いとは言えなかったが「しっかりと準備を整えた上で、ミスなく確実に支給したい」(市社会福祉課)との方針を一貫。市内で大きなトラブルは今のところなく、「申請受け付けから支給まではスムーズに対応できている」とする。
■ミスがないよう準備 全庁的な事務で効率化■
これまでの市の対応を振り返ると、申請受け付け開始までの準備段階で二つの取り組みをしている。
一つは市独自の申請書作り。申請書は総務省のひな型があったが、給付を辞退する場合に「×印」を付けるチェック欄が「希望者が付けるもの」と誤解してしまう恐れがあるとして、他の細かな修正も含めて分かりやすく作り直した。
その結果、給付辞退の部分にチェックが入った申請書は数件あった程度。個別に問い合わせをして、「誤り」か「辞退」かの意向を再確認した結果、数人が辞退だったという。 二つ目は給付システムの整備。本事業に関する情報を一元管理できるプログラムで、二重払いなどの給付ミスがないように注意を払った。
福知山市の場合は、オンライン申請での支給は全体の3%未満の2千人ほどにとどまり、ほとんどが郵送申請となっている。
市役所に届く申請書は膨大で、受け付けを始めた5月28日から市役所隣のハピネスふくちやま内に給付事務の専用スペースを設けて対応した。
通常業務に支障をきたさないことを前提に、部単位で人員の応援態勢を組み、作業は「開封と必要書類数の確認」「記載内容のチェック」「給付システムへの入力」などで役割分担して効率化を図った。
6月第1週までが作業のピークで、最大50人態勢で一日3千通をさばいた日もあった。現在は申請数が落ち着いており、専用スペースは閉鎖、規模を縮小して対応している。
写真=ハピネスふくちやま内に設置した給付事務専用スペースで作業する職員ら(6月8日撮影)