植物染料として使われる日本茜が、京都府福知山市野間仁田のほ場で栽培されている。まちおこしにつながればと、地元の人たちでつくる「日本茜生産チーム」(谷垣弘明代表、3人)が約20アールで約7千株を育てており、栽培方法の確立に力を入れている。
日本茜はアカネ科のつる性多年草で、「赤根」と言われる根は日本太古の赤色「茜」の原料となる。かつて重宝されたが、西洋茜などで作られた海外産などの染料の台頭で流通量が減り、現在では幻の染料と言われるほど希少とされる。
10年ほど前から日本茜の文化復刻をめざして活動する日本茜研究会の杉本一郎代表(66)=大阪府泉北郡忠岡町=の思いに谷垣代表(72)が賛同し、2017年春に生産チームを結成。同年6月から栽培を始めた。
杉本さんによると、日本茜は世界的にも注目を集めてきており、栽培地が徐々に増えてきているが、福知山の栽培面積は杉本さんが知る限り日本一という。
栽培が難しく、植えてから実際に染料として使うまでに少なくても3年は必要で、掘り起こし作業にも手間がかかる。生産チームの谷垣さんは「限界集落の元気を取り戻したいと考えて、この活動を始めました。失敗もありましたが、今のところは順調に来ています。日本茜を世界にアピールできるように、今後も増産をめざして頑張りたい」と話す。
11月29日には、日本の伝統色を日本古来の植物染めで染色する第一人者、染屋・染司よしおか=京都市伏見区=五代目当主の吉岡幸雄さん(72)が現地視察に訪れた。植えてから2年目の栽培地を試験掘りし、成長具合を確かめた。
視察を終えた吉岡さんは「想像した以上に広い面積でした。大変だろうけど、順調にいっているので、頑張ってほしい。失われた色で情報が少ないだけに、お互いが教え合っていきたい」と話し、「品質は大丈夫です。大いに使いたい」と太鼓判を押している。
写真=日本茜の出来具合を確かめる谷垣さん、杉本さん、吉岡さんら(右から)=野間仁田のほ場で
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