度重なる水害を経験してきた京都府福知山市の対策や備えについて学ぼうと、鳥取県鳥取市美保地区の「美保まちづくり協議会」(安木恭次会長)メンバー21人が、福知山市を視察に訪れた。市と惇明地区自治会長会が対応し、交流会を開いて意見交換などをした。
美保地区は26の町内会からなり、住民は3千世帯、約1万3千人。地区内を3本の河川が流れ、2本の河川に挟まれるように住宅地があることから、水害に対する備えに積極的に取り組んでいる。
協議会メンバーの志賀寿さんが福知山市大江町の出身ということもあり、「福知山市で防災研修会をしたい」と両丹日日新聞社に相談。市、惇明地区自治会長会につながって実現した。
視察は21日から2日間にわたって行い、初日は治水記念館を見学してから、惇明地区自治会長会、自主防災会の会長を兼任する土田康輔さんの案内で、法川排水機場、洪水水位標がある御霊公園前など、水害とゆかりのある場所を巡った。
このあと、市消防防災センターを見学し、研修室で惇明地区の自治会長8人と交流会を開いた。
初めに、市危機管理室の水口学室長と高橋和利主査、土田さん、鳥取の同協議会の会員がそれぞれの地区の災害発生状況や避難所の様子などを紹介。美保地区からは「要支援者の救助態勢はどうしているか?」「普段から特別な訓練はしているか?」などの質問が次々に飛び出した。
これに対し、惇明地区は各自治会長が「要支援者については自治会内で担当を決めて災害時もフォローできるようにしている」「避難に自家用車が使われるものと考えており、一斉に車で避難した場合、どのような混雑をするか調べて対策を考えている」などと答えた。
また、避難所への避難者がまだまだ少ないことや、危機意識が薄い住民がいることなどに対しては互いに共感し、対策が必要なことを確認した。
安木会長は「どちらも同様の悩みがあり、行政とも連携を強化していくことが必要な部分もあると感じました。高齢化などが進む中ですが、命を守る必要性をそれぞれが自覚し、住民を守っていく組織作りができれば良いと思いました」と話した。
一行は22日には荒河地域から大江地域にかけて由良川沿いを視察した。
写真=惇明地区の取り組みなどを説明する土田さん(左)
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