大正12年(1923)に撮られたモノクロ写真が、高校生の手によってカラー化された。95年前の京都府福知山市大江町三河での祭礼の情景をとらえた写真で、淡く色付けされ、当時の様子がありありとよみがえった。カラー化された写真は17、18両日に地元公会堂で開催の文化祭で展示される。
三河の伊田保儀さん(78)が今年3月ごろ、自宅を新築する前に家の片づけをしていたところ、大正12年の期日が入ったモノクロ写真が出てきた。
この時、叔父が写真の説明などを書いたノートも見つかり、地区の鶴ケ尾神社の棟上げの祭礼が行われた際に浄瑠璃芝居を上演した地元住民らが写っていることが分かった。同町金屋の府立大江高校がモノクロ写真をカラー写真にする取り組みをしていることから、この写真もカラーにと依頼。ビジネス科学科3年の三宅蒼馬君が授業や休み時間を利用して作業にあたった。
プリントが古く、虫食いの跡もあったため、写真加工ソフトを使い、まずは黒ずんでいる部分を直したあと、色付けしていった。
通常、古い写真をカラー化する場合は、持ち主や写っている人らに聞き取り調査をしてから作業に入るが、写真に写っている人物はみんな他界し、事情を知る人がいなかったことから、インターネットでさまざまな情報を調べ、想像を膨らませながら取り組み、10月末に完成させた。
カラー化された写真を見た伊田さんは「元の写真には汚れがありましたが、長い時間をかけてきれいにしていただいた。写っている当時の様子は詳しく分かりませんが、こうした行事をやっていたという証しとして、大切に保管していきたい」と話している。
写真=カラー化された写真を見る伊田さん
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