世界があこがれる漆塗りの美。その魅力を伝える「丹波のうるし」作品展が、京都市・建仁寺で10月に開かれた。全国の美術愛好家たちをうならせた作品が、引き続き2日から福知山市夜久野高原、道の駅農匠の郷やくの内、市やくの木と漆の館で公開される。京都府主催。観覧無料。
府伝統工芸の森プロジェクト事業(森の文化発信)の一つとして、林業の視点から漆の魅力を探る取り組み。
漆は日常の器から仏像彫刻、寺社などの国宝建造物まで様々な用途に使われ、日本の文化を支えてきた。しかし近年は採取地が減り、夜久野は全国でも希少な植栽地になっている。そこで、漆の魅力をアピールするため、府無形民俗文化財に指定されている漆採取技法「丹波の漆掻き」を守り伝え、産地復活へと植樹活動を進める人たちと、賛同する作家・団体16者の作品を集めた。
京都会場としたのは臨済宗建仁寺派の大本山、建仁寺(東山区)。10月26日から28日まで、塔頭禅居庵に、伝統的な技法を駆使した盛り器、和の文化を象徴するような硯箱、斬新なオブジェなど、様々な作品が並んだ。漆掻き道具を螺鈿、漆塗り道具を蒔絵で描いた漆塗りの道具箱もあった。
訪れたのは目の肥えた美術愛好家や工芸作家たち。訪日観光客の多い寺院とあって外国の人たちも次々と作品展の部屋へ足を運んだ。一角には漆掻きの様子や、植樹活動を写真で紹介するコーナーも設けられ、NPO法人丹波漆の会員たちが解説。説明を受けた訪日客たちは、丁寧な仕事が生み出す漆黒の世界にすっかり魅せられていた。
福知山会場となる、やくの木と漆の館でも、建仁寺と同じ作品を展示する。地元ならではの、漆の木も館内に持ち込む。会期は11日までで、時間は午前10時から午後5時(最終日は正午)まで。水曜休館。
問い合わせは木と漆の館、電話(38)9226。
写真=外国人観光客たちも熱い視線を注いだ建仁寺での作品展
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