京都府福知山市三岳地区の一ノ宮にある一宮神社の秋祭りで、子どもらが打つ練り込み太鼓が、毎年奉納されている。これまでは一ノ宮の中で打ち手を確保していたが、少子化の波に押され、今年は人数が足りない事態に陥った。初めて近隣集落からも募り、伝統芸能の継承への道を模索している。秋祭りは14日に催される。
一宮神社の創建は諸説あり、一番古いものは792年(延暦11年)とされる。練り込み太鼓は、神楽奉納から変遷したと伝わる。
練り込み太鼓は戦時中にいったん中止されたが、機運を高めて復活し昭和30年代からは断続的に続く。1989年には一宮神社練込太鼓保存会を立ち上げて、正調の伝承、後継者育成に努めている。
練り込み太鼓は、中学生男子ら4、5人の大太鼓と、小学生男女の小太鼓、中高生女子らの笛で編成する。小太鼓は3つを交代しながら打つため、例年9人程度を集めているが、今年は地元だけでは確保できなかった。
小太鼓は全員で掛け声を出して場を盛り上げる役目もあり、人数が少ないと寂しい。保存会は8月に総会を開き、一ノ宮以外からも打ち手を募ることを決定。上佐々木、下佐々木、新宮から小学1、2年生4人の応援を受けて小太鼓9人がそろった。
稽古は3日から始め、週末を中心に続けてきた。秋祭りまであと2日と大詰めになった12日夜は、大太鼓、小太鼓、笛の息を合わせて本番さながらの演奏に熱を込めた。
秋祭りを主催する一ノ宮自治会の山岡勉自治会長は「近隣の子どもたちが来てくれて、新たな活気が出てきた」と喜ぶ。練り込み太鼓を奉納する同保存会の山部静雄会長も「同じ小学校の友だち同士で、みんな力を合わせて頑張ってくれている」と感謝した。
秋祭りは午前11時から神事があり、11時30分ごろから境内で練り込み太鼓が奉納される。
写真=一ノ宮以外の子どもも初参加する練り込み太鼓の稽古
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