京都府福知山市で3月末に休館した「福知山鉄道館ポッポランド1号館」について、市が設ける「あり方検討委員会」(杉岡秀紀委員長、10人)は、4回目の会合を福知山市駅前町の市民交流プラザで5日に開いた。存続させる方向で論議を進めており、会合では運営主体は従来と変わらず「公設民営」とし、下新町からの移転検討先として、市の3施設を挙げた。12月に市に提言する予定。
会合は11月下旬までに合計6回開くことにしており、大詰めを迎えた。前回の会合のあと、検討を進めるうえでの参考にと、9月中旬に委員5人らで「民設民営」の加悦SL広場=与謝郡与謝野町=を視察した。
視察の報告で杉岡委員長は、加悦SL広場を運営する宮津海陸運輸株式会社は、SL広場だけでは採算が取れず、他の事業(港湾運送など)で得た収益で社会貢献的な思いも込めてやりくりしているが、福知山ではランニングコストなどを考慮すると「公設民営」しか方法はないと考えているとした。
移転検討先としては、初期投資、観光、駐車場の確保などの面から、市児童科学館、市丹波生活衣館、市勤労青少年ホームの意見がすでに挙がっている。10月下旬に、SLと転車台を置く福知山駅南口公園や、北丹鉄道の本社跡の西駅公園も見学し、施設関係者らとも協議のうえで、他の場所も含めて候補地選定を進めることにした。
前回協議した事項をもとに、新たな事業として、高架後の福知山駅付近ジオラマ模型の製作▽鉄道マンの話が聞けるビデオライブラリー設置▽鉄道ファンがコレクションを展示できるレンタルスペースの設置▽子ども向けの制服を着られるコスプレコーナー▽授乳室、おむつ交換スペース設置-などを盛り込むことを確認した。
ただ、これらを実現するには資金確保や収益性を念頭に置く必要があり、次回の11月上旬の5回目の会合で論議を深めて素案をまとめ、同月の中旬から下旬に最後の会合を開き、提言書を作成することにしている。
写真=大きなSL動輪や鉄道写真などが展示されていたポッポランド1号館(今年2月撮影)
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