石井啓一国土交通大臣が、2013年の台風18号被災を受けて始まった緊急治水対策工事が進む京都府福知山市戸田地区など由良川流域を視察した。18号以降も水害が度重なっており、同行した大橋一夫市長が、内水を含めた治水対策の促進を陳情した。

　台風18号では、福知山を含む由良川沿いの4市が家屋浸水など大被害に見舞われた。これを受けて緊急対策が2020年代半ばの完了をめざし、綾部市私市～福知山市前田・川北の中流部での連続堤防、下天津や大江地区、舞鶴市域での輪中堤整備や宅地かさ上げに取り組まれている。

　戸田での視察は、堤防工事に合わせて現在工事中の戸田橋上で22日に行い、国交省福知山河川国道事務所の久内伸夫所長が被災当時の様子や工事の進ちょく状況を説明した。

　大橋市長は、緊急治水対策に盛り込まれていない地区での治水対策▽築堤完了地区の内水対策▽水害の多様化を踏まえた河川整備計画の見直しの必要性－の大きく3点を石井国交大臣に要望。「支援をいただきながら、市も汗をかいていきたい」と力を込めた。

　今回の視察では舞鶴市下東の輪中堤整備箇所も訪れた。視察を終えて会見した石井国交大臣は「緊急治水対策は着実に進んでいるが、7月豪雨があり、内水被害が出ているとも伺っている。災害が甚大化しており、地域のみなさんが安心して暮らせるよう、さらに治水対策を進めていきたい」と話した。


写真＝大橋市長（中央左）がさらなる治水対策を石井国交大臣（中央右）に陳情した