前線と湿った空気の影響により、京都府福知山市で31日夕方に雷を伴う強い雨が降った。大雨警報の発表を受け、市は午後5時に避難準備・高齢者等避難開始を市全域(3万6179世帯、7万8628人)に発令。防災行政無線や各種メールなどで早めの避難を呼びかけたが、実際に避難所に避難したのは、最大13世帯14人にとどまった。
避難者の状況をみると、直近では8月23日に台風20号の影響で避難勧告が発令されたが、避難者は最大で199世帯288人。市内各地で甚大な被害が発生し、避難指示(土砂災害)が発令された7月豪雨でも、避難者は460世帯943人。土砂災害警戒区域に住むのは約2千世帯で、その数字と比較しても、決して多いとは言えない。
市危機管理室の水口学室長は「避難所に身を寄せるだけが避難の方法ではないため、一概には言えませんが、今回の大雨については、避難勧告を発令するまでに至っておらず、由良川の水位の上昇もなかったため、避難者が少なかったのでは」とみている。
また台風20号や7月豪雨についても、「決して避難者が多いとは言えません。しかし、7月豪雨の際は府内全域の避難者4237人に対し、市は943人となっており、危機意識を持っている人は比較的たくさんいるのでは」と分析している。
今後に関して、水口室長は「市ではこれからも、出来る限りの情報伝達に努めるので、ハザードマップなどを活用し、居住地域にどのようなリスクがあるのかを確認していただき、避難判断につなげてほしい」と呼びかけている。
来週前半には、台風21号が非常に強い勢力を維持したまま、本州に接近、上陸するおそれがある。人的被害を未然に防ぐためにも、いかにして早期の避難を促すかが、今後の課題になりそうだ。
■多くの列車に運休や遅れ JR福知山支社管内■
大雨に伴い、JR西日本福知山支社管内では31日、福知山線、山陰線などで特急19本、普通31本が運休、特急3本、普通22本に遅れが出た。山陰線の運転見合わせ時間が夕方からの通勤通学時間帯に重なったことなどから、約7千人が影響を受けた。
京都丹後鉄道は大雨の影響で徐行運転をした列車があるが、ダイヤに大きな乱れはなかった。
写真=緊急エリアメールなどを流したが…
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