福知山花火大会屋台爆発炎上事故から5年。当時中学生だった息子がやけどを負った兵庫県の男性は、毎年8月15日に事故現場となった京都府福知山市の由良川音無瀬橋に来て手を合わせている。
15日の河川敷。辺りを見渡し「3人も亡くなった。やけどの負傷も50人以上で本当に被害は大きい…」としみじみと語った。
被害者に寄り添う家族にとっても、つらい日々だった。「事故後は1カ月ほど寝られない日が続き、1年くらいたったころにどっと疲れがきた。だいぶ落ち着いたが、5年経った今も気を張っている状態」と話す。
今年8月4日に神奈川県相模原市の祭り会場で、屋台のカセットコンロのボンベが爆発して負傷者が出た事件が起きるなど、「こんな事故が毎年のように繰り返されている。露店を出される方には8月15日を契機に再発防止への気持ちを引き締めてほしい」と強く求めた。
実行委の検証の必要性は「管理者としての責任はあると思うので、必要と思う」。
息子夫婦と孫が負傷した被害者家族会副会長(綾部市)は「花火大会の再開を望む声があることは承知しており、花火打ち上げに反対をするものではない。ただ、再開するにしても、市を含めて、安心安全の態勢を作っていただくことが再発防止につながる。主催者が検証はすべきと思う」と話した。
実行委と被害者全員との示談が成立したことを一つの区切りととらえながらも、「被害者の中には子どもも多く、これから長い人生を歩んでいく。そのことを踏まえて、示談成立で全て終わり-ではないという考え方でお願いしたい」と複雑な胸中を明かした。
写真=事故現場近くに設けられた献花台に、たくさんの花が並ぶ(16日午前7時ごろ)
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