日米友好の証しにと、米国から1927年に日本の幼稚園、小学校に贈られた通称「青い目の人形」を、関連資料とともに並べる企画展が、京都府福知山市の市役所ロビーで開かれている。展示されているのは、市内に唯一残る「ヘレン・ウッド」。貴重で愛らしい姿を、来庁者らがじっくりと見ている。
当時の日米関係は、排日移民法の成立をめぐり悪化の一途をたどっていた。その状況を憂いた宣教師、シドニー・ギューリック氏が、米国全土に人形の提供を呼びかけ、集まった約1万2000体を、日本の幼稚園や小学校に贈った。
しかし、第二次世界大戦が始まると、敵国の人形としてほとんどが壊され、現在は全国で342体しか残っていない。福知山では、福知山幼稚園に贈られたヘレン・ウッドのみが残っている。
市役所での展示は21日まで。以後、3支所を巡回する。
■11月に島原市への親善訪問に持参■
姉妹都市提携をする長崎県島原市にも、「リトル・メリー」の1体が残る。11月に提携35周年を記念して実施する「友好親善訪問の旅」に、ヘレン・ウッドを持っていき、互いの人形を対面させるなど、友好を深めるきっかけにもする。
企画展では、ヘレン・ウッドのほか、着替え用の洋服、人形のために作られたパスポート、人形を迎える歌の楽譜も展示。贈られた経緯、ギューリック氏の紹介などをまとめ、パネルにして紹介している。
写真=貴重な青い目の人形が展示されている
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