「この世界の片隅に」などで知られる京都府福知山市在住の漫画家・こうの史代さん(49)の原画や複製画などの展示会が、8月中に市内各所で開かれる。こうのさんは「古事記、インコ、身の回りのことを描いた作品を展示していただきます。私の作品は戦争や原爆ものばかりが話題になりますが、本当はこういう楽しいものの方がずっと得意な題材です。ごゆっくりお付き合いいただけるとうれしいです」と話す。
広島市出身。16年に東京から夫の古里・福知山へ移住した。代表作は「この世界の片隅に」のほか、「夕凪の街 桜の国」などがある。手描きで温かみのある作品が、見る人の心を引き付けてきた。
内記一丁目の市佐藤太清記念美術館では、23日から原画展が開催される。古事記をボールペンで描いた「ぼおるぺん古事記」、独特の視点から日常を表現した「平凡倶楽部」から60点以上を並べる。
「ぼおるぺん古事記」には、猪崎の市動物園で人気を集めたウリ坊をもとにした絵もある。欄外にこうのさんの書き込みが入った原画の複製版も全編公開する。会期は前期が9月3日まで、後期が9月5日から同月19日までで、一部展示替えがある。
■26日にワークショップ開催■
また、26日午後1時30分からは、「ぼおるぺん古事記」の吹き出しにオリジナルのセリフを入れるワークショップを開く。パラパラ漫画の制作もできる。定員15人。参加無料だが入館料がいる。
入館料は大人210円、小中学生100円。火曜休館。開館時間は午前9時から午後5時(入館は同4時30分)まで。9月15日は午後8時30分まで開館する。
問い合わせ、申し込みは同美術館、電話(23)2316へ。
■関連イベント多数 図書館では大反響■
関連イベントとして、駅前町の市立図書館中央館では現在、代表作などを並べる「こうの史代作品コレクション」を催している。貸し出し可能な約30点は常に借りられており、大きな反響を呼んでいるという。9月2日まで。月曜休館。
このほか、市丹波生活衣館=内記一丁目=では11日から9月10日まで、「戦時下の暮らしと衣服-漫画『この世界の片隅に』の一場面より」が開かれる。作品の時代背景が分かるように、当時の道具や衣服などを展示する。火曜休館(14日は開館)。
カフェ2店舗でも原画や複製画の展示が始まる。下新町のまぃまぃ堂では21日から「ぴっぴら帳」の原画展、広小路通りの古本と珈琲・モジカでは22日から「荒神絵巻」の複製画展があり、それぞれ9月8日まで。休みはまぃまぃ堂が日曜・月曜、モジカが火曜。
福知山シネマでも、複製画や映画ポスターを並べている。
夕凪の街 桜の国 実写ドラマで放送
こうのさんの作品で、広島市への原爆投下から10年後の様子などを取り上げた「夕凪の街 桜の国」が実写ドラマでテレビ放送される。
NHKで6日午後7時30分から。NHK広島放送局が開局90年の節目に、設定を2018年に置きかえたオリジナルストーリーとしてドラマ化した。
常盤貴子さんが主演、川栄李奈さん、平祐奈さん、キムラ緑子さんらが出演する。
写真上=美術館の原画展に出展予定の作品(©こうの史代/平凡社)
写真下=反響が大きい市立図書館中央館での特設コーナー
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