3月末に休館した京都府福知山市下新町の「福知山鉄道館ポッポランド1号館」の在り方を考える第1回検討委員会が、駅前町の市民交流プラザで4日に開かれた。今後の協議の基本的な方向性を定めるために、委員が思いや意見を出し合った結果、「設置場所を探して再開」を前提に協議を進めることに決まった。
1号館は市が管理する施設。鉄道のまちのシンボル的な存在とされていたが、建物の老朽化や耐震性から、来館者の安全を確保できないとの理由で、市が更新時期の3月末で建物の賃貸契約を終了。移転先を探したが見つからず、休館を余儀なくされ、今後の在り方を検討委員会に委ねることになった。
委員会は鉄道館の足立和義館長(西日本鉄道OB会福知山地方本部)、観光、地元商店街関係者、有識者のほか、公募で選んだ市民2人の計10人で組織。初会合では福知山公立大学の杉岡秀紀准教授を委員長に選任後、各委員がそれぞれの立場から鉄道館への思いを語った。
展示物を見学するために観光客や鉄道マニア、校外学習の小学生らが来館するだけでなく、プラレールで遊ぶために訪れる子育て世代も多かったことから、観光、子育て支援、教育面といった多方面から今後の対策を練る必要性が指摘された。
入館者が増えている中での休館に「入館者の減少や採算が合わないといった理由での休館ではない。今再開をしないと難しくなる」といった意見や「鉄道館の存在を知らない市民もいる。市民ニーズはどうなのだろうか」といった声も聞かれた。
事務局の市産業観光課からは、入館者の推移▽移転が想定できる公共、民間施設▽公設公営、公設民営、民設民営の運営形態別で予想される運営経費▽全国各地の主な鉄道施設の運営事例▽市内の鉄道資源などについて説明があった。
次回は8月10日に第2回委員会を開催予定。今秋までに複数回、委員会を開いて結論を出す。
写真=休館中の福知山鉄道館ポッポランド1号館への思いを出し合う委員
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