地元産の木材を扱う京都府福知山市大江町蓼原、桐村製材(桐村俊弘社長)は、福知山市など由良川流域の山々で育った丹州材で、ぐいのみやワイングラスを作り販売している。木の香りと柔らかな手触りが楽しめることから、じわりと人気が出始めている。
桐村製材は大正時代の創業とされ、1974年に有限会社となった。以前は建築用資材を中心に木材を提供していたが、現在は加工用や神社仏閣の材料を扱っている。
15年ほど前に製材業のかたわら、木で作ったまな板の販売を始め、2年ほど前、ほかの製品も増やそうと木工用の旋盤を導入。桐村社長(60)の次男、圭哉さん(23)が昨年3月に大学を卒業し、家業を継ぐため実家に戻ってきたのを機に、丹州材での木杯作りに取り組むことにした。
圭哉さんは旋盤のメーカーに通って木工の技術を習得。昨年6月から素朴なぐいのみを、秋からは造形に凝ったワイングラスを作って、販売を始めた。
使う木は、ヒノキとスギ。寺社の修理などに使う良質な木の端材を再利用している。通常、端材はチップにして業者に引き取ってもらうため、製品化はリサイクルの面でも役立っているという。
樹齢が長い木を使っているため、杯の表面には美しい年輪が現れ、木のぬくもりが感じられる。日本酒を入れると木の香が立ち上り、味を一段と引き立たせる。香りは使い始めてから半年ほど持つとみられる。
ぐいのみは800円から2千円程度、ワイングラスは1500円から2千円程度で販売。製材所の事務所で扱っているほか、7月28日には地元・蓼原で開かれる水無月祭りで売る。
7月中ごろには、会社でレーザー彫刻機を導入する予定で、ぐいのみなどにロゴマークや名前などを入れることができるようになる。
圭哉さんは「まだ始めたばかりなので試行錯誤の連続ですが、耐久性を考えて、完成品への塗装などもできればと思っています。注文にもこたえ、ほかにもいろいろな製品を作っていきたい」と話している。
桐村社長は「最初のころより腕が上がり、良いものができています。これから売れる製品をどんどん考えてほしい」と期待を寄せている。
写真上=木工用旋盤を使って木杯を作る圭哉さん
写真下=丹州材で作ったぐいのみやワイングラスなど
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