冬のオリンピックで盛り上がったカーリングを、木製の用具で楽しみませんか-。木を大切にし、緑豊かな里山の魅力を生かした体験学習や交流事業を展開しているNPO法人里山ねっと・あやべ(綾部市)が、京都府森林組合連合会に協力してもらって木製カーリング「木(き)~輪(りん)グ」を作った。福知山市の団体にも無料で貸し出す。
里山ねっとは、閉校した旧豊里西小学校(綾部市鍛治屋町)を都市農村交流事業の拠点として活用するための組織として、2000年に誕生した。旧校舎はピザやパンが焼ける石窯を設けたり、一部を改修するなどして市里山交流研修センターに生まれ変わり、06年には新たに宿泊棟が設けられるなど、整備が続いてきた。
14年8月の豪雨災害では裏山が崩落して体育館が被災。「森の京都」綾部市マスタープランに基づき、森の京都の拠点施設にするため解体し、総額1億9500万円余をかけ、京都府産木材を使った「森もりホール」に昨春全面リニューアルされた。
こうして日ごろから木と向き合っている職員たちが、2月の平昌冬季五輪で日本代表チームが銅メダルを獲得し、「そだねー」の相づちがブームとなったカーリングに着目。木を使って楽しめないかと試作を重ねてきた。
最初は氷上の本式ゲームで使う用具に似た形にしようと、ストーンを掃除機ロボットのような円盤形にしてみた。ところがこれだと軽すぎて投げにくい。そこで、施設近くにある府森林組合連合会の京都木材加工センターに相談。センターが京都府産材を円柱形に削り込んでいる丸棒製品を使ってみることにした。
直径20センチの円柱を長さ15センチに切断してもらい、職員たちがサンドペーパーで磨き上げ、木の取っ手を付けた。底面には、どんな方向へでも自由に動けるよう台座が水平360度回転するローラーを装着して仕上げた。
大きくしたことで重さは3キロになって、投球する(転がす)のにほど良い感じになった。試作初期の薄い円盤形だと、しゃがんで投球する必要があったが、高くなったため、いすに座ったままでも楽しめるようになった。
「好評なら販売も」と夢が広がるが、まずは普及に力を入れることにしていて、旧校舎の廊下などで遊ぶだけなら無料。大人数になってホールなどを使う場合に会場使用料だけを求めることにしている。的を含めた用具一式の貸し出しも行い、「取りに来て、返却にも来てもらう」ことを条件に、福祉関係や地域団体などに無料で使ってもらう。すでに福知山市内からも貸し出し依頼が来ているという。問い合わせは電話(47)0040。
写真=子どもからお年寄りまで楽しめる「木~輪グ」
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