京都府福知山市下地の中六人部小学校(小林智子校長、32人)は3月末で、上六人部小学校とともに下六人部小学校へ統合し、144年の歴史に幕が下りる。豊かな農村地帯にある地元密着のこの学校は、第47代内閣総理大臣で市名誉市民の故・芦田均氏らを輩出した。
■鵬雲舎として開設 卒業生は1721人■
アイガモ農法を学ぶもち米作り学習、地元の人から昔遊びを教わるふれあい教室などをしてきた。15年ほど前からは、毎年のように運動会で全校児童による一輪車を取り入れた集団演技を披露。近年では、同校の代名詞になった。
校訓は、まじめなれ・誠実▽人よりすすめ・進取▽ちから一ぱいはげめ・勤勉▽きまりよくせよ・規律▽人にもつくせ・奉仕。
1873年(明治6年)、中地に鵬雲舎が開設。数回の学校名の変更があったあと、1904年に現在地に移転。その時に運動場西側に植えられたカシの木は、学校のシンボルとなり、長く子どもたちの成長を見守ってきた。
55年(昭和30年)に中六人部の校名になり、記録に残る1891年から今年度までの卒業生は、1721人にのぼる。
児童数は、昭和30年代前半に約250人いたが、少しずつ減少。2004年(平成16年)には50人を割った。その2年後に複式学級ができ、その頃から「いつかは統合が必要」と危惧され始めた。
15年から本腰を入れて検討し、翌年に保護者の意思がまとまった。17年には中六人部自治協議会もそれに応え、統合検討委員会を設置。その後、下六人部小への統合が決定した。
閉校を前にして、児童たちはいままでお世話になった見守り隊などの地域の人たちに感謝を伝えている。12日は、読み聞かせボランティア「お話会」との最後の交流で、メンバーにお礼を伝えた。
18日午前11時から、卒業生たちの寄付で建立された記念碑の除幕式と各年代の卒業生が集う大同窓会が、同校で催される。同校の同窓会(井上重典会長)が主催する。
写真=閉校する中六人部小学校とカシの木
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