視覚障害の人には音声ガイド、聴覚障害の人には手話、知的障害の人にはわかりやすい表現など、障害の特性に応じた対話やコミュニケーションの意思疎通手段が当たり前にある地域社会の実現をめざす、京都府初の「手話言語及び障害のある人の多様なコミュニケーション促進条例」が、福知山市で4月1日に施行される。
福祉の枠組みでずっとあった手話を、言語として位置付ける「手話言語条例」が鳥取県で2013年に誕生して以降、全国の自治体で同様の動きが広がった。さらに一歩進めて、さまざまな障害の特性に応じた意思疎通手段の必要性にも拡大した条例が、兵庫県明石市で15年に初めて施行されている。
京都府内では、手話言語条例はすでにあったが、手話言語・コミュニケーション条例はなかった。福知山、綾部両市の昨年12月議会で条例が可決されたことが、その先駆けとなる。
福知山市の条例では、市は機運づくりや必要な施策に取り組むことを明記し、市民にも条例への理解と市の施策への協力を、事業所には障害のある人が働きやすい環境整備に努めることを求める。
市は「条例がゴールではなく、新たなスタート。共生社会への事業展開、啓発、理解拡大への足掛かりにしたい」と意気込む。
■制定記念に聾学校を舞台にした実話の上映会■
条例の制定を記念して、市と市社会福祉協議会は16日から18日まで市内4会場で、「『卒業』~スタートライン」の上映会を開く。約50年前に京都市内の聾学校の生徒たちが、人権尊重や教育の発展を訴えて立ち上がった実話を追った映画。観賞無料。両丹日日新聞社など後援。
写真=条例制定記念に上映する「『卒業』~スタートライン」で、生徒が理解ある教諭に手話で思いを語る場面
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