「鉄道のまち・福知山」のシンボル的な存在になっている京都府福知山市下新町の福知山鉄道館ポッポランド1号館(足立和義館長)の累計入館者が、24日午前に30万人を突破した。開館から20年目という大きな節目を迎えているが、管理する市は建物の老朽化などを理由に3月末での休館を決めており、これを目前にしての到達。30万人目となった兵庫県丹波市から訪れた鉄道ファンの大学院生に記念品が贈られた。
30万人目は、父母とともに来館した神戸大学大学院1年の足立鷹祐さん(23)。記念のセレモニーが、北丹鉄道の福知山西駅を模した1号館の玄関で行われた。運営する西日本鉄道OB会福知山地方本部で組織するポッポランド運営委員会のスタッフらが見守るなか、くす玉が割られ、足立館長から足立さんにギフトカードや記念ボールペン、オリジナルハンカチなどが贈られた。
足立さんは、自分の名刺の裏側に駅構内の写真を印刷するほどの鉄道好きで、同館には毎年4回ほど訪れているという。「30万人目の来館者と声を掛けられ、びっくりしました」と笑顔を見せ、休館になることについて「寂しいですね。ぜひ新しい建物を建設するとかして、別の場所で存続してほしい」と話していた。
同館には、約半世紀にわたって福知山-大江間を運行していた北丹鉄道の資料や旧国鉄時代の鉄道部品、C57の動輪などの鉄道遺産が展示されている。年間入館者は開館2年目をピークに減少していたが、14年春から西日本鉄道OB会が運営し、増加に転じた。開館5年目の02年度に累計10万人、13年目の10年度に20万人に達した。
■関東など遠方から訪れるファンも■
足立館長は「今年度は来館者2万人を目標にしており、過去3番目に多かった開館3年目(2万3290人)に近づいています。新聞や雑誌の報道で日増しに入館者が増え、関東方面から来る人もいます。閉館が決まったわけではなく、新たな場所で存続され、累計入館者が40万人、50万人と積み重なっていくことを願っています」と話していた。
休館までの特別企画として「懐かしの鉄道写真展」を開催中。毎週木曜日休み。
写真=足立館長から30万人目の記念品を受ける足立さん(右)=24日午前10時53分
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