福知山市は20日、市立小中学校などのごみ収集運搬を委託する京都府福知山市内の廃棄物処理業者が、市との契約に反する料金で不当に利益を得ていたとして、市の損失分約680万円を返還請求し、回収したことを明らかにした。

　業者は、2001年度から児童館などでのごみ収集運搬を随意契約で受託し、その後に小中学校などにも拡大して現在は67施設のごみを市環境パークに持ち込んでいる。

　環境パークに搬入する際の手数料を、本来ならば事業ごみ（20キロ410円）で申告すべきところ、ほぼ半額の家庭ごみ（同200円）とし、市から得る手数料との差額分を利益にしていた。

　昨年12月の市議会一般質問でこの問題が取り上げられ、大橋一夫市長が違法性を認めて差額返還を求めることに言及していた。

　市は「不当利得返還請求」で、さかのぼって請求できる過去10年分の市の損失分541万8500円に利息を加えた計688万5513円の返還を求め、業者は納付期限内の1月22日に全額を支払った。

　市は不正処理は常態化していたと見て、法的権利がない更なる過去分についても、今後請求したいとしている。一方で、さかのぼって請求できる期間の短さ、不正行為の立証の難しさから、詐欺罪での告発は見送った。「業者が催告（返還請求による支払い）に応じていることから、一方的な契約解除はできない」と、引き続き今年度の契約は継続している。

　市は、来年度からは現在の随意契約をやめて指名競争入札とし、手数料を市が直接処理するようにして、再発防止を図るという。