宮津市教育委員会は、京都府宮津市府中地区で発掘調査を進める安国寺遺跡で、平安時代前期を中心とする柱穴が検出され、「古代の丹後国府に関連する遺跡の可能性が高まった」と発表した。諸説ある丹後国府の所在地について、府中説を補完するもの。16日午前10時から現地説明会を行う。無料。
国府とは、中央から任命された国司が政務を執り、儀式を行う施設のことで、奈良時代から平安時代に、全国60余りの国に置かれた。周囲には国分寺などが設けられ、政治、宗教、産業など国の中心都市になっていたとされる。
和銅6年(713)に丹波国から分割された丹後国の国府があった場所は、加佐郡説や岩滝説もあり、特定されていない。
発掘調査をしている安国寺遺跡は国分寺跡(府立丹後郷土資料館)から籠神社側へ車で2、3分の場所にある。範囲内容確認調査を昨年度から4カ年事業として行っており、今年度は10月から95平方メートル区画の発掘調査にあたってきた。
この結果、四角い柱の跡と見られる方形土坑が検出された。一辺約60センチ。当時としては大きな建物だったことが分かる。一般的な建物は丸い柱であり、四角い柱は手の込んだ施設だということも推定できる。このほか土師器、須恵器に加え、一般的な集落ではみられない平瓦が多数出土し「官衛(役所、官庁)的な性格がうかがえる」としている。
一般市民対象の現地説明会は、午前10時に府中公民館に集合。スライドなどを使っての概要説明、出土遺物の解説を聞いた後、徒歩移動して現地見学をする。
福知山市からは府中小学校を目印に。問い合わせは宮津市教委、電話0772(45)1669。
写真=発掘調査が行われている安国寺遺跡
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