京都府福知山市大江町二俣三、美鈴小学校(植野恵子校長、30人)の6年生8人が1日、近くの和紙伝承館で、自分たちが来年3月の卒業式で受け取る卒業証書に使う和紙の手漉きをした。
町内の美鈴、有仁、美河3小学校では毎年、地元に伝わる丹後二俣紙で6年生が卒業証書を製作。伝統産業の手漉き和紙の良さや作業の大変さを体得している。
伝承館横の田中製紙工業所5代目の田中敏弘さん(56)から、植物のコウゾを原料に使って和紙が出来るまでの過程を教わったあと、紙漉きに挑んだ。
児童たちは、コウゾの皮から抽出した繊維と植物のトロロアオイの粘液を混ぜ合わせた水溶液を、簾桁と呼ばれる道具ですくい、均等の厚みになるように揺らしていった。
最初はぎこちない手つきの児童たちも、次第に器用に動かせるようになり、田中さんから褒められていた。
6年の神社遥人君は「水の音が出るように手を動かすのが難しかったです。自分たちで作った和紙の卒業証書なので、思い出に残ります」と話していた。
漉いた和紙は田中さんのところで乾燥してもらったあと、証書として仕上げ、学校で名前などの字が入れられる。
有仁小は15日、美河小では18日に卒業証書用の和紙の紙漉きをする。
写真=田中さん(右)に教わりながら、紙漉きをする6年生
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