子どもたちが、稲わらで作った杵で地面をたたいて、子孫繁栄や五穀豊穣などを願う伝統行事「亥(い)の子まつり」が、晩秋の京都府福知山市高畑と水内であり、子どもたちのにぎやかな声が響いた。
高畑では地元の子ども会(塩見昌也会長)が年中行事として実施。23日に地域内外の1歳から小学5年生までの計17人が参加した。
地元公会堂で老人会・亀友会(外賀喜代彦会長)の会員が協力し、わらを束ねて棒状の杵に仕上げてから、手に携え約40軒の家々を訪ねた。子どもたちは玄関前で「いのこのもちつきいわいましょう ひとうすついたらいわいましょう」などと歌いながら、杵で地面を力強くたたく。家の人はその様子を柔和な笑顔で見守っていた。
水内でも地元子ども会(道家京子会長)が主催し、自治会(宮本賢一会長)や農区(外賀捨己会長)が杵作りに協力した。
杵はわらを棒状にしてから、親子が協力して縄を巻きつけてしっかりと固定した。
大所帯の自治会とあって、幼児から中学生まで約50人が4班に分かれ、計約280世帯を目標に回った。高畑と同じように玄関前で「いのころもちいわいましょ」「元気で長生きできますようにいわいましょ」と歌った。
まつりは旧暦10月初めに行われていた行事。たくさん子どもを産むイノシシにあやかって子孫繁栄を願うほか、田の神に感謝する収穫祭の意味合いもある。
両地区の高齢者や保護者らは、「私たちが物心ついたころからあった」「友だちが集まるので楽しかった」と昔を思い出し、受け継がれてきた行事をずっと残していきたい−と話していた。
写真=地面を杵でたたく子どもたち(高畑)
写真=縄を巻きつけていく親子(水内)
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