大雨のたびに濁流があふれ、周辺住宅に浸水被害をもたらしている福知山市東部を流れる大谷川の治水対策が大きく動く見通しとなった。京都府の山田啓二知事が25日、台風21号被災地を訪れ、被害状況を視察し、住民からの悲痛な声を受けて、ポンプ配備を検討することにした。
大谷川は石原から土を経て前田で由良川に合流する。府が総合流域防災事業として約3・5キロ区間で川の掘削などをしているが、これに加えて排水対策を検討することになった。
山田知事は被害が大きかった中丹3市を回り、福知山市では戸田で農作物(小豆)の被害状況を視察。戸田橋付近で行われている由良川堤防築造の進展状況を見た後、再々浸水に遭っている石原・土地区を訪れた。
高津勉、木畑雅信両自治会長から報告を受け、被災住民からも「7年住んで5回も被害に遭っている、堤防の完成なんて待っていられない」と窮状を聞き取った。
これに対して山田知事は「確かにたまったもんじゃない。堤防ができるまで5、6年かかる。それまでになんとかしなければ命が危ない」と住民の危機感を共有し、ポンプ車購入やポンプ場設置など「早急に排水対策を講じていかねば」と思案していた。
同行した大橋一夫市長は、知事の踏み込んだ発言を受け「ほかの対策も同時に進めたい」と意欲を語った。
写真=石原で被災状況の説明を受ける山田知事
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