京都府福知山市大江町北一の井上利徳さん(79)が、川で使う昔ながらの漁具を数多く所有している。若いころから購入したり、譲り受けたりして、巻き網などが約20点あるが、これらを大切に保管しながら、古くて手に入りにくい道具も集め、1カ所に展示したいと考えている。多くの人たちに漁具を通じて、川の良さを知ってもらえれば−と願っている。
井上さんは自宅が由良川に近いため、子どものころから父親と一緒に魚取りに出掛けることが多かった。家にあった網などの漁具を使って1人で魚を取るようになったのは19歳ごろから。それ以降、道具が増えていった。
所有する漁具は網が中心。投網や置き網、巻き網のほか、「ハガケ」と呼ばれるコイ取り用の刺し網も持っている。
また水が濁った時に岸から魚をすくったりする「タモ」やカワエビなどをとるための籠もある。いずれの漁具も傷みは少なく今でも使えるが、井上さんはもっと古い道具があることを資料本で知り、持っていない漁具を集めることを思い立った。
収集するにあたっては情報提供を呼びかけるとともに、古い漁具の中には手作りできるものが多いため、筒状の「もんどり」やズガニなどを取る竹製の籠の「ジンド」などは、資料本を参考にして、自分で製作していく。
ある程度漁具がそろえば、由良川に近い場所での展示も考えていて、その際は川舟を置き、昔の農具も一緒に並べる。
井上さんは「まだ使ったり、見たこともない漁具がありますが、ぜひ集めて残しておきたい。道具を多くの人たちに見てもらい、川や漁具の歴史、堤防などについても知っていただく機会がつくれたらうれしい」と話している。
写真=網やタモなど多くの漁具を所有する井上さん
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