首から上の病にご利益があるとされる京都府福知山市和久市町の「梅ぼし半十郎観音」の祠で20日、毎年恒例の大祭が営まれた。市内外から参拝者がやってきて、願いを込めて手を合わせた。
祭られているのは、江戸時代に過酷な年貢を取り立てた福知山藩から金を盗み、庶民に与えた浪人の松岡半十郎。下手人として捕らえられ打ち首にされる際に、守り本尊として肌身離さず持っていた観音像を飲み込み、「私の墓に梅干しを供えて参れば、観音様のご利益で、首から上の病は治る」と言い残したと伝わる。
義賊として半十郎をまつる祠には、彼が好物だった梅干しを持って参拝者が足を運んで手を合わせている。
大祭は、近くの有志でつくる同観音奉賛会(松本清孝世話人代表、15人)が続けて40年近くになる。祠には、参拝者が供えた梅干しを入れて作った餅などを並べ、菱屋町・常照寺の伊東日信住職が導師になり、午前と午後の2回祈祷した。
祠の裏にある梅の木から収穫したものを含め、奉賛会が漬けた梅干しが参拝者に振る舞われた。
手術が必要な大病に苦しんでいたが、梅ぼし半十郎観音のご利益で手術なしに回復したとの感謝の手紙が市外の女性から届いたという。松本世話人代表は「手紙をいただいた方をはじめ、多くのみなさんに喜ばれて私たちもうれしい気持ちでいっぱいです」と話していた。
写真=伊東住職が読経し、参拝者が手を合わせて祈った
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