大粒で甘い「はななみぶどう」が、今年も京都府福知山市瘤木で直売され、人気を集めている。だが、地元の生産組合(荒河洋組合長)は、高齢化などによる人手不足で、次第に栽培規模を縮小せざるを得ない状況に追い込まれている。荒河組合長(75)は「自分たちが作業できなくなれば、はななみぶどうは消えてしまう」と危機感を募らせ、後継者を探している。
組合は1997年4月に、地域活性化を願って、瘤木の住民で結成した。みんなで集まり、楽しみながら出来ることをしようと始めたのがブドウ作りだった。
力を合わせて山間部の荒廃桑畑の木を伐採し、根を掘り起こして開墾。約70アールのブドウ畑を作り上げ、藤稔を中心にシナノスマイル、ピオーネなどの品種を育ててきた。
当初は、植えた苗をすべて枯らしてしまう失敗をした。クマに畑を荒らされたこともある。しかし、負けずに栽培を続け、地道に販売を続けてきた。
そのかいあって、おいしい「はななみぶどう」の名は次第に広まり、毎年問い合わせが来るようになった。販売には行列が出来るほどの人気に。組合結成から20年が経ち、借金の返済も、ようやく終わった。
だが一方で、12人ほどいた組合員は高齢となり、年々メンバーが減り、作業に出るのは、今では4人だけになった。このうち、男性は荒河組合長のみで、3人が70歳代、1人が60歳代。
荒河組合長は「さぁこれから、と行きたいところですが、維持管理に手が回らないのが現状です。断腸の思いで、畑の木の一部を伐採して、何とか続けています」と胸の内を話す。
瘤木の土壌や気候が適しているのか、大粒でおいしいブドウが出来るといい、「楽しみにしてくれている人も多いので、何とか続けていきたい。そのためには、一緒に栽培してくれる人が必要です。やってみようと思う人がいればうれしい」と話す。
農機具などの設備は整っているため、それらを使うことが出来るほか、荒河組合長らから栽培方法などの指導も受けられる。細かな条件などは、話し合いで決めるという。
設備などの見学も受け付けており、問い合わせは荒河組合長、携帯電話090・1222・2223へ。
写真=山あいに広がるブドウ畑
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