「転勤を拒みし夫と耕せり」−俳句を長年続ける京都府福知山市大江町上野の堀惣治さん(90)=俳号・蒼浪=の作品が、第56回全国俳句大会(公益社団法人俳人協会主催)で、最高位の大会賞を受けた。今年は1万3788句の応募があり、この中から選者らが大会賞5句を選出した。堀さんは「思いがけない賞で驚きましたが、うれしい」と快挙を喜んでいる。
堀さんは終戦後間もなく俳句を始めた。1945年に出した句が新聞に掲載されたのをきっかけに、どんどんのめり込んでいった。
全国俳句大会は、集まった全作品で予選を行い、残った1609句(応募句の11・6%)から39人の選者が特選句などを選出。さらに、高点句の中から選考委員会で審議をして、受賞作を決めた。
農業に精を出し、普段から四季の移ろいを肌で感じながら作品づくりをしている堀さん。受賞作も農家ならではの句で、選者から高い評価を得た。
周りには、夫が会社勤め、農業は妻がしているという家庭が多い。そんな中で、遠方への転勤を反対され、会社を辞めて妻とともに農業をすることになった人の姿を見て詠んだ。
表彰式は、5日に東京都千代田区の有楽町朝日ホールであり、ステージに上がった際にも、まだ驚きが消えず、実感はなかったという。
「これまでも入賞などはありましたが、大会賞は初めてです」と話す。「四季の移り変わりと常に接しているので、どんどん作品は生まれます。これからも農耕文化の中で俳句を詠んでいきたい」とほほ笑んだ。
写真=大会賞受賞を喜ぶ堀さん
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