京都府福知山市正明寺、福知山淑徳高校の調理系列3年生、弦川ありすさんと西美優さんのチームが、「第8回全国和菓子甲子園」で、グランプリに輝いた。エントリーした78チームの頂点に立ち、2人は「不安はありましたが、練習の成果を発揮できてよかった」と喜んでいる。
大阪府生菓子青年クラブが主催し、高校生が2人1組となってオリジナル和菓子を作る大会。「食べておいしい健康和菓子」をテーマに、コンセプト、発想力、味の良さなどを競った。
書類審査を突破した12チームによる最終審査は、22日に大阪市の辻製菓専門学校であった。実技のほか、和菓子に込めた思いなどをプレゼンし、全国菓子研究団体連合会長で、食の人間国宝の西尾智司さんらが審査した。
■両親に贈るものコンセプトに作る■
弦川さんと西さんは、両親に贈る和菓子をコンセプトに、金団(きんとん)と錦玉(きんぎょく)の2種類を考案。作品名は「いつまでも。」とし、書類審査を通過して本選に進んだ。
母親用の金団は、温かさや優しさを表現するため丸みを帯びさせ、明るい色合いにした。また「いつまでも美しくいてほしい」と、マンゴー、クランベリー、クルミを使って、美容効果も期待できるよう仕上げた。
疲労回復効果のあるブドウ、ナシなどを使用した錦玉は、いつも仕事で疲れている父親用。あんを横8の字の無限大の形に巻いてあり、「親子の気持ち、存在は限りないもの」というメッセージを込めている。
2人はクオリティーの高いものを、1時間45分の制限時間内に作ることを目標に、6月から練習を重ねた。「最初のうちは完成までに4時間かかった」というが、時間短縮の方法を2人で考え、なんとか3分オーバーで作れるようになった。
本番は「練習の成果を出し切り、しっかり時間内に仕上げたい」との一心で臨み、集中力が高まって時間を若干残し完成。「味のバランスもばっちり」と審査員から好評で、グランプリを獲得することができた。
本番まで2人をサポートした調理系列の技術指導員、服部尚矢さん(35)は「厳しく指導しましたが、それを乗り越えてつかんだグランプリで、とても価値があると思います。この大会は、2人が成長する良いきっかけになりました」と目を細めていた。
■スイーツフェスで100セット販売■
淑徳高校は、10月15日に中ノの市厚生会館で開かれる「福知山スイーツフェスティバル」で、この和菓子の改良版を販売する。2人は「限定100セットになると思いますが、自分たちの和菓子を、ぜひ食べてみてください」と呼びかけている。
写真=グランプリ獲得を喜ぶ弦川さん(左)と西さん
写真下=両親に贈る和菓子がテーマの作品「いつまでも。」
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