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両丹日日新聞2017年7月28日のニュース

毛が生えたカタツムリ 花の寺に2匹

オオケマイマイ 京都府福知山市石原の主婦、深谷ひろみさん(47)が、近くの観音寺の境内で、毛の生えたカタツムリを見つけ、話題になっている。27日までに2匹の生息を確認し、深谷さんだけでなく、小籔実英住職や参拝者も初めて見る姿に驚きを隠せず、「小さなキノコのよう」「福を呼ぶ生き物だろうか」と不思議がっている。

 観音寺は関西花の寺一番札所で、丹波のアジサイ寺として知られ、花好きの深谷さんは毎年、写真撮影に訪れている。今年も撮影に向かい、24日午前10時30分ごろ、苔むした石の上にカタツムリのような生き物を発見。近づいて見ると殻の周りが毛で覆われていた。時折、角を出してはい回るのでカタツムリでだと確信した。

 奇妙な姿が気になって27日午前11時30分ごろに再び参拝すると、同じように毛が生えた1匹が新たに見つかった。どちらも体長1・5センチほどの平べったい円盤状だった。

 このカタツムリは、オナジマイマイ科の「オオケマイマイ」という種類。カタツムリは陸地に住む巻き貝のことを言うが、国内に住む約800種類のなかで、毛が生えているのはオオケマイマイの仲間だけという。

■絶滅危惧種に指定の県も■

 本州の関東以西や四国北部に生息するが、森林の荒廃などで生息域が年々減り、個体数自体も少ない。山口県や愛媛県では絶滅危惧種に指定されている。山林や環境が豊かな社寺境内の落ち葉の下や石垣などにすむという。

 深谷さんは「アジサイの葉に止まっている一般的なカタツムリは以前からよく見ましたが、毛が生えたものは初めてでびっくりしました。これからも観察を続け、カメラに収めたい」。小籔住職は「境内にいたことはもとより、こんな変わったカタツムリがいること自体、全く知りませんでした」と話す。

 福知山市自然科学協力員の太田明宏さんも訪れて確認。「この2匹はオオケマイマイの子どもで、大人になると500円硬貨ほどの大きさになります。初めて見た人はびっくりされるでしょう。周囲を探せばもっと生息していると思います」と説明する。

 さらに「今まで和歌山県などで見たことがあります。市内では2014年夏の8月豪雨災害のあと、観音寺地区の中丹広域農道沿いで流されてきた死骸を見ましたが、生きている姿を確認したのは初めてです」と話していた。


写真=石の上をはう殻の周りに毛が生えたオオケマイマイ

    

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