集中豪雨や台風の襲来など川の出水期を前に、京都府福知山市の市消防団(片岡幸基団長)は、水防用救助ボートを所有する17分団を対象に2カ所で28日に操舟訓練をした。それぞれロープの結索や舟の扱い方などを実践で習得し、いざという時に備えた。
水防用救助ボートは、市消防団にFRP(繊維強化プラスチック)製の組み立て式22隻、アルミ製の折り畳み式5隻、木製1隻の合計28隻を配備。ほかに消防団が使えるように市消防本部にアルミとゴム製を11隻置いている。
訓練は毎年行っており、今年は中部ブロック5分団、東部ブロック4分団、北部ブロック3分団の合わせて12分団が夜久野町額田の額田大橋付近の牧川で訓練。大江ブロックは5分団が大江町波美の由良川で行った。
額田大橋付近での3ブロック訓練には、団員約100人が参加。初めに、もやい結びなどロープの結索の仕方を習得。続いてFRP製の舟5隻を使い、訓練をした。
川の中を濁った水で床上・床下浸水した市街地とみなし、先頭の団員がとび口の柄で足元を突いて安全を確認しながら進み、このあとを4人が舟を押して進んだ。続いて、護岸に舟を付けて要救助者を舟に安全に乗せる手順なども習得した。
最後は、家屋の2階からの救出を想定した訓練。護岸の上部を住宅の2階とみなし、川に浮かべた舟から2連式のはしごをかけ、4人で舟を安定させて、はしごを下りてもらう方法を実践で学んだ。
団員は長靴で川の中に入り、ひざ下まで水につかりながら懸命に訓練に取り組んだ。田邉雄一副団長は「きょうの訓練内容を各団に持ち帰ってみんなで習得してほしい」と団員に訓示した。
大江町波美での訓練には団員約35人が参加。ロープの結索の仕方を学んだあと、船外機を付けたアルミ製の舟を、船舶免許を持つ団員が操縦したり、木の舟を竹の棒で操るなどの訓練をしたりした。
救助用ボートは、昨年と一昨年は出動することはなかったが、14年夏の豪雨では市内で18隻が出動して101人を救助。13年の台風18号襲来の時には38人を助けた。
写真=舟からはしごをかけて2階から救助する訓練をする団員(夜久野町額田で)
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