丹後半島一円から農作物を集めている道の駅・丹後王国「食のみやこ」(京都府京丹後市弥栄町鳥取)が、運搬を農家の軽トラックから鉄道に切り替える試みを、6月1日からスタートさせる。丹後半島は広く、農家が丹後王国まで車で往復するには2時間近くかかるケースもあり、大きな負担軽減につながりそう。
通常運行の旅客列車に農作物を積んで運ぶ「貨客混載事業」で、京都丹後鉄道と協力して取り組む。国交省近畿運輸局、農林水産省近畿農政局から「物流総合効率化法」に基づく総合効率化計画の認定を受けた。農業振興と地域活性化を目的とした混載事業は全国初という。
混載する区間は丹鉄宮豊線の久美浜-峰山間。農家が朝取りした新鮮な農作物を折りたたみ式コンテナに詰め、温度変化から守るカバーをかけてから、久美浜駅で列車に積み込む。積める列車は10時6分発など午前2本と14時26分発など午後2本の計4本。農作物を乗せた列車が峰山駅に着くと、丹後王国が受け取り、施設に持ち帰って店頭に並べる。
久美浜駅のあたりから丹後王国までは片道50~60分ほどかかる。往復だと2時間。これから海水浴シーズンになると、更に道路は混む。全国的に高齢ドライバーによる事故が増えて大きな問題になっていることもある。何より、長時間運転は農家にとって大きな負担。混載事業を利用すればこれが軽減できるほか、空いた時間を新たな農業生産に向けることもできる。
列車で運ぶ農作物の輸送費は丹後王国が負担。農家にとって利用しやすい事業にした。
運ばれた農作物は道の駅の施設内で販売するほか、地域外の飲食店、スーパーなどへの卸を通じて販路拡大も図っている。
スタート時点では積み込み駅を久美浜に限定しているが、途中の駅についても今後検討をしていく。
写真=朝取り農産物を新鮮なまま客車に積み込んで運ぶ
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