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両丹日日新聞2017年5月19日のニュース

安全な町にと治水推進 京都府中丹管内土木

榎原川 京都府が、今年度に中丹地方で行う公共土木・単独土木事業を発表した。当初予算分で、公共土木が64カ所、単独土木107カ所の計171カ所86億6400万円。福知山を管轄する中丹西土木事務所では治水関係や危険な道路の改良など、安心安全なまちにするための事業を進める。

■道路89カ所、河川76カ所計86億円■

 内訳は道路・街路89カ所32億2100万円(うち中丹西土木事務所分14億8200万円)▽河川・砂防76カ所47億5600万円(同34億6800万円)▽その他6件6億8700万円(同2億8千万円)。

■弘法川・法川の浸水対策に21億円■

 治水関係としては、2014年の8月豪雨で市街地の広範囲に床上床下浸水の被害をもたらした弘法川、堀方面に大きな被害を出した法川の浸水対策特別緊急事業に21億円を充てる。

 15年度から取りかかっており、今年度も引き続き川の掘削工事や護岸工事を進める。弘法川の最下流(由良川合流)部には調整池を設けることにしていて、用地買収を行い、年度中の一部着工をめざす。法川は野家、内田付近で用地買収ができたところから工事に着手している。

■戸田橋の下部工完了、橋桁も年内に現地で■

 国による由良川の堤防築造工事に伴い、架け替えをしている戸田橋については、この5月で下部工が完了する。出水期に入る6月からは現地での工事ができないが、橋桁など上部工の工場内製作にあたる。

 出水期が終わった11月ごろから現地での工事に入る。通行止めは19年5月までとしているが、「なんとか18年のうちには通行できるようにしたい」と意気込んでいる。

 戸田橋近くの私市では、大雨のたびに氾濫する相長川改修が、国の由良川改修と連動して進んでいる。集落をうねって流れていたものを、新しいルートに付け替えていて、川をまたぐ新しい橋を築造。今年度中に新しい橋を通れるようにする。

 上豊富地区の榎原川は、豪雨災害を受けて14年度から河道整備が取り組まれてきた。一部を繰り越し、今年度で一区切りとなる。事業費は4億4200万円。川岸が大きく削られたりして、原形復旧では再度災害が起きた際に防ぎきれないため、約3・9キロにわたり掘削や護岸工などを行い、流れる水の量を増やした。

■旧三岳小など守る砂防事業を開始■

 新規事業としては、三岳地区の一ノ宮で上北谷川の砂防事業を始める。土石流の危険性があり、下流に広域避難所の旧三岳小学校校舎をはじめ、派出所、郵便局などが集約されている。このため、各施設を土石流被害から守るために砂防ダムを築く。事業費2億5千万円で21年度完成の予定。

■9号と429号の交差点改良関連も■

 道路関係では、新庄の国道429号と9号の交差点改良の一環として、429号の樋口橋架け替え工事を始める。

 429号は9号と斜めに交差していて見通しが悪い。このため交差点を50メートルほど夜久野側にずらして429号を真っすぐにし、歩道も設けて交通の安全性を高める。15年度からの継続事業で、樋口橋は拡幅などのため架け替える。現在の橋の下流に迂回路を設けることにしていて、早ければ年明けから工事に入りたい考え。

 429号の兵庫県境側では、法用の榎峠のトンネル化へ向け、兵庫県側と調整して現地踏査を始める。また額塚ではS字カーブになっていて危険な区間を、大きく緩やかな一つのカーブに改良する事業に取り組んでいて、用地買収を終えた所から着工している。

 大江町二箇では、由良川増水時に路面が冠水する府道舞鶴福知山線の改良が進んでいる。広域避難所への経路が断たれるため、道路のかさ上げをする。カーブの改良や歩道設置も行う昨年度からの5カ年事業。今年度は用地測量に入る。

写真=2014年の8月豪雨災害で氾濫した公民館前の榎原川(上)と、改修したいまの榎原川(いずれも中丹西土木事務所撮影)


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