約600枚の棚田が広がる京都府福知山市大江町毛原で、地域活性化グループ「毛原の棚田ワンダービレッジプロジェクト」(水口一也代表)が毛原だけで使える地域通貨「けーら」を発行する。地区内でのボランティア活動の対価などとして与えられ、地域産物などと交換できる。プロジェクトでは、けーらを通じて、地区内を訪れる人が増え、活性化につながればと期待する。
プロジェクトでは、地域の過疎高齢化の現状を見据え、今後1千年続く里づくりのための活性化計画を策定。地域通貨の発行も取り組みの一環で、地区内経済の活性化とボランティア活動の促進を目的にしている。
通貨名は毛原の地名からとった。「1けーら」は1円に相当し、紙幣形式で印刷した100けーら券を発行する。
けーらで毛原の特産物や加工品を購入できる。また地元のイタリアンレストランでの食事、ブルーベリーガーデンの摘み取り体験に使える。さらに地区内にある窯を使ってのピザ作り体験、ガイド付きで集落内を巡る散策ツアーなどにも使用できる。
住民が草刈りや雪下ろしなどを地区外のボランティアに頼む場合、継続して活動してもらえるよう、対価としてけーらを支援者に支払う。住民同士で手助けする時でも使えるようにする。
けーらは当日のみと6か月間使える2種類。けーらがたまると換金できる仕組みも今後つくる。当面は地区内のイベントなどで発行していく。
最初に発行するのは地元で14日に開かれる田植え体験会で、参加者に当日のみ有効の100けーら1枚を出す。会場で販売する野菜や棚田米などを購入するのに使ってもらう。このほか20日の毛原峠開通記念イベント「毛原ハイキング・ミーティング」でも渡す。
水口代表(59)は「けーら発行で、住民たちに新たな収入が生まれ、潤いがあり元気で楽しい村にしたい。またボランティアや旅行者ら地区に訪れる人が増え、この土地を気に入り、将来移住してもらえるようになればうれしい」と話している。
写真=けーらの見本を持つ水口代表
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