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両丹日日新聞2017年4月11日のニュース

沿線の声を鉄道運営に JR福知山支社がサークル

シミュレーターで運転士の疑似体験 京都府北部と兵庫県北部を管轄するJR西日本福知山支社は、沿線の住民ら一般から公募して「北近畿JRコラボサークル」を設立した。8日に約20人が参加して初めての交流会が開かれ、同社の改善点などについて意見交換をした。乗務員訓練用のシミュレーターで運転士と車掌の体験もした。

 コラボサークルは、JRが地域住民と連携を深め、鉄道の活性化につながる意見や提言をしてもらえる機会をつくろうと立ち上げた。今冬に第1期会員を募集し、北近畿だけでなく、京都市、姫路市などから94人が入会した。

 前田洋明支社長も参加した交流会には、15歳から76歳までの会員が参加。はじめに、一部の便が支社管内の城崎温泉駅にも立ち寄る豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス・瑞風」の動画があった。

 このあと、福知山支社の白石和範地域連携室長が、支社管内の現状や取り組みを説明。「乗降客が年々減少していますが、京都など都市部を観光したあとに城崎温泉を訪ねる訪日外国人が増えています」「獣害が増えて年間約1千頭の鹿をはね、そのたびに列車が止まるので、利用者に迷惑をかけています」「泥酔した利用客がホームのベンチから立ち上がって線路に転落する事故が増えており、ベンチを線路と垂直になるように置く取り組みを進めています」などと話した。

 会員側からはJR西日本への要望点として「個性的な列車の運行を」「北近畿地区へのICカードの導入」「時刻表の全戸配布」「観光客への地域PRの強化」「観光客を地域で受け入れる着地型観光商品の開発」などが挙がった。

■「ブレーキ難しい」 シミュレーターに挑戦■

 乗務員訓練用シミュレーターは、運転士用と車掌用があり、気象条件や時刻などを細かく設定できる。運転士用では参加者が一人ずつ順番にリアルな映像を見ながら1駅区間ずつ疑似運転をしたが、駅に停車できずオーバーランする人が多く、ブレーキ操作の難しさを実感していた。

 野笹の主婦、藤原直美さん(53)は、鉄道の旅を始めてみたいと入会。「社員の方の話やシミュレーターでの体験を通して、鉄道に関わる人の苦労や安全管理を徹底されていることがよく分かりました。瑞風に乗るのが夢です」と話していた。


写真=シミュレーターで運転士の疑似体験をする参加者


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