テレビ難視聴地域対策と市内全体のインターネット環境向上を目的とした「e-ふくちやま」事業の民営化に伴い、京都府福知山市は庁舎1階に専用の相談窓口を開設した。
e-ふくちやま事業は、情報格差を是正するため、2006年の1市3町合併を機に、総事業費46億4千万円をかけ、テレビ難視聴地域の市周辺部に光ファイバー網などを整備し、テレビ放送の再送信とインターネット接続サービスを実施してきた。電波の状態が悪い地域でテレビが受信できるようになるサービスは、12年度末で4608世帯、インターネットは856世帯が加入していた。
もともとは「民間事業者が乗り出さない地域にもブロードバンドを」と計画をスタートさせたものの、市が光回線を敷設したころには民間事業者が参入をはじめ、利用者は伸び悩んだ。慢性的に大幅な赤字を計上。施設機器の更新に膨大な費用がかかるため、市は対応を検討した結果、14年度に民営化の方針を決定した。
その後、ケイ・オプティコム(大阪市)と基本協定を締結。現在は光ファイバー網などの整備を進めており、完了した地域から順次、移行の申し込みを受け付ける。18年度末には、市のサービスが終了するため、それまでに全対象地域の移行を完了させる。
民営化後の利用料は、テレビが税別月額1480円(現行500円)、インターネット基本料が4667円(同4444円)。いずれも初期費用はいらず、セットで申し込めば割安になるプランもある。
また移行期間中については、テレビのみのコースを現行と同じ500円にする措置もあるため、移行した日によって不公平感が出ないよう配慮。差額は市が負担するという。
今後は、サービスの円滑な移行を図るため、5月以降にケイ・オプティコムが、申し込みの受け付けを兼ね、利用者向け説明会を各地で開催。また各支所にも、7月に相談窓口を設置する。
相談窓口の設置とサービスの受け付け開始に合わせ、4日に庁舎前でセレモニーが開かれた。大橋一夫市長とケイ・オプティコムの藤野隆雄社長、来賓の田中法男・市議会議長がテープカット。円滑な移行を願うとともに、民営化のスタートを祝った。
写真=さっそく住民が相談に訪れている
【関連ニュース】
スタート前から難航したe-ふくちやま
・「e-ふくちやま」着手できず 難視聴個人負担の問題で
・テレビ難視聴対策関係条例改正案を否決
早々に赤字
・赤字かさむ市の光回線「e-ふくちやま」
民営化が決まる
・e-ふくちやま 民営化が妥当と判断
・市の光回線民営化に説明会で不満の声続出
・福知山市の光ファイバー網 ケイ・オプティコムに事業譲渡
株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232
著作権
このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。