京都府福知山市広小路通りなどで4月2日に開かれる福知山お城まつり(実行委員会主催)の光秀行列で、今年も福知山初代城主、明智光秀や侍、武者らに扮した人たちが、市内の大江山などに自生している落葉低木、ヒュウガミズキの小枝を身につけて歩く。ヒュウガミズキは、光秀が「明智日向守」と呼ばれていたことから命名されたとの説もあり、3年前から光秀行列で武者らの装束を飾っている。
マンサク科のヒュウガミズキは大江山周辺では蛇紋岩地帯に多く分布。07年に三岳山から大江山にかけての一帯が「丹後天橋立大江山国定公園」に指定されたことを受け、市は08年度に福知山千年の森づくり基本計画を策定。取り組みの一つとして、大江山の5合目にあり、植物が自生しにくい旧河守鉱山跡地に、過酷な状況でも育つヒュウガミズキを植え、緑や花でいっぱいにするプロジェクトが進められている。
植樹に向けては、自生するヒュウガミズキの枝を採取して、「日向水木育苗隊」の名のもと市民や団体が育て、現地に植え付けてきた。
光秀と深いかかわりがあるヒュウガミズキの存在と、植樹の取り組みを広く知ってもらおうと、自然公園指導員で育苗隊員でもある赤松武司さん(64)=大江町金屋=が、3年前に、行列に参加する丹波福知山手作り甲冑隊に依頼し、枝をつけてもらった。昨年からは行列の全参加者の装束を飾っている。
武者行列に参加する約40人分のヒュウガミズキは、育苗隊員が育てた苗木などから採取。先日から咲き始めており、20センチほどの長さに切ってそろえる。
武者行列は午後1時に駅前町のききょう通り商店街を出発。駅正面通り、アオイ通り、新町から広小路通りに入り、同3時30分からのフィナーレパレードに合流する。
赤松さんは「将来的にはフィナーレパレードに参加するすべての人たちにつけてもらい、ヒュウガミズキの植樹の取り組みを広く知ってもらえればうれしい」と期待する。
写真=育苗隊員が育てているヒュウガミズキ
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