日本古来の行事や習わしが年々減っていくなか、福知山市内で19日、花嫁道中が行われた。実家が鴨野町にある細川真奈美さん(36)=旧姓芦田=が、家族や親戚と行列を組み、結婚相手の猪野々の家まで練り歩いた。近隣住民から祝福を受け、満面の笑顔で歩く真奈美さん。500メートルほど離れた嫁ぎ先では、新郎の周作さん(39)らが出迎えた。このあと両家はバスで宮津市の籠神社へ行き、厳かに神前で式を挙げた。
新郎と新婦は、金谷剣道スポーツ少年団に所属していた幼なじみ。それ以後は親交が無かったが、3年ほど前に市内の絵画教室でばったり再会。意気投合した2人は、ゆっくりと愛を育み、昨年10月15日に婚姻届を出した。
結婚式場を見て回るなど、挙式について考えていたが、2人には「自分たちらしい式を挙げたい」との思いがあり、和の文化に興味があったことから、昔ながらの嫁入りの形ですることに決めた。
両家の親に相談したところ、花嫁道中は過去に市内各地で行われていたが、近年はとても珍しく、最初のうちは冗談だと思われて、取り合ってもらえなかったという。
それでも、「地域の人たちと幸せを共有したい」と、粘り強く伝えたところ、最終的には「みんなで応援してやろう」と、両家で思いが一致。挙式のプランニング会社にも相談しながら、準備を進めてきた。
■文金高島田と純白の着物で■
当日は、地毛で結った文金高島田と純白の着物で身を包んだ真奈美さんと家族ら約10人が行列。地元住民のほか、友人らが見に訪れ「おめでとう」と声をかけるなど、一帯に祝福ムードが漂った。
真奈美さんは「たくさんの人に祝っていただき、うれしい気持ちでいっぱいです。結婚はゴールではなく、新しい人生のスタートです。主人と仲良く暮らし、温かい家庭を作っていきたい」と話していた。
写真=祝福を受けながら歩く新婦ら
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