福知山市西小谷ケ丘、成美大学短期大学部の桐村ます美教授(59)は、織田信長に命じられた明智光秀が徳川家康をもてなすために用意した「天正十年安土御献立」の研究を長年続けている。同短大部が今年度で閉校するのを前にし、14日には献立をピックアップした弁当を作り、世話になった人たちを招いて試食会をした。
1582年3月の甲斐攻めで武功を立てた家康のため、信長は5月に安土城で宴席を設けた。光秀は5月15、16両日の饗応献立を任され、家康の接待役を命じられたため、堺や京都などから、山の幸、海の幸、珍味を取り寄せ、もてなしたとされる。
桐村教授は市の助成を受け、この研究に取り組んできた。史実に沿った内容を再現するため、文献を深く読みすすめ、当時の材料を取り寄せることなどに尽力したという。
08年に初開催の福知山のうまいもの展で初めて展示し、豪華さで好評を得たが、この後も研究を重ね、年々再現度を高めていった。
みそ、しょうゆ、酒、みりんといった当時の調味料で味付けしており、家康の好物を使った焼き鯛や干鯛などを取り入れている。
試食会には、行政関係者や地域の人ら約20人を招いた。集まった人からは、味や盛り付けなどに関する意見が多く飛び出した。
桐村教授は「いずれは特産品になればという思いで研究してきました。手を加えないといけないところもあるので、助言を生かし、さらに再現度の高い献立にしたい」と話している。
写真=試食会用に作られた安土御献立
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