WEB両丹

きょうあったいい話、夕飯までに届けます。京都府福知山市の情報を満載した新聞社サイト

タブメニュー

両丹日日新聞2017年3月12日のニュース

器用さは今も現役 97歳見事な折り紙

0306origamii.jpg 京都府福知山市厚中町にある居宅介護支援事業所・厚ニコニコハウスに入居する足立百合子さんは、折り紙が得意だ。大正8年(1919)6月生まれの97歳だが、年齢を感じさせないほど元気で、手先の器用さは昔と変わらない。時間があれば部屋で作品づくりに励み、施設職員は「素人の作とは思えないレベルの高さ。華やかで楽しいので大勢の人に見てほしい」と、季節に合わせて1階玄関に飾り続けている。

 兵庫県篠山市で生まれ、看護師として働いた足立さん。昭和16年(1941)に福知山に嫁ぎ、夫が営む時計店を手伝った。子育てを終えたころに編み物や手芸講師の資格を取得し、15年ほどの間、教室を開いた。生徒は多いときで約50人。京都市内の百貨店から依頼され、ビーズ編みや和紙の折り紙の作品を作り、ショーウインドーを飾ったこともある。

 教室を閉めてから作品づくりに向き合う機会は減ったが、7年前に折り紙の本と出会ったのを機に、作品づくりを再開。夫が亡くなったことなどもあり、一昨年4月に施設に入居してからは、部屋で作業に没頭する。

 購入した折り紙や和紙だけでなく、他の入居者や職員らが届けてくれるきれいな模様の包装紙などを使い、正月、端午の節句、秋祭り、クリスマスなどに合わせた行事飾り、くす玉、造花などを仕上げている。模造紙を使って絵画のように仕立てたもの、額に入れた紫式部の後ろ姿の作品もある。

 いま、施設の1階玄関には、壁と下駄箱の上に、約20点の作品が展示してある。雛祭りをテーマにしたものが中心で、このほか、くす玉や羽子板などがある。

■作り方を教わりに訪ね来る人も■

 多くの作品を飾り、華やいだ部屋で暮らす足立さん。作り方を教わりたいと訪ねて来る入居者も多い。

 足立さんは「毎日、好きなことを思う存分できます。ここへ来てから、折り紙を通じて随分友だちが増えました。その上、我流の作品を展示していただき、別荘に住んでいるかのような気分でうれしく、みなさんにとても感謝しています」と笑みを浮かべる。

 職員たちは「あまりにも立派な作品なので、1階玄関を足立さんの作品紹介コーナーにしようと、職員みんなで決めました。何でも好き嫌いなく食べ、社交的で、折り紙を生きがいにされています。見習いたい部分がたくさんあります。気軽に見に来てください」と話す。

 作品は日曜日と祝日を除いて、午前9時から午後5時まで観賞できる。


写真=部屋で紫式部の後ろ姿の折り紙作品を手にする足立さん


株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232

著作権

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。

購読申込 会社案内 携帯版 お問い合わせ