京都府福知山市の視覚障害者協会が、大正琴体験教室を始めた。視覚障害者が楽器にふれる機会はあまりなく、参加者は楽しい時間を過ごしている。
教室開設のきっかけは2カ月ほど前にさかのぼる。会員の植田文男さん(69)が、知人から大正琴を譲り受けた。せっかくなので弾いてみたいと市社会福祉協議会に相談し、社協にボランティア登録をしてイベント出演や施設訪問などの演奏活動をする木村流大正琴・琴遊会北近畿京都支部(奥村歩支部長)を紹介してもらった。
大正琴ができる準備は整った。それならみんなでやろうと、視覚障害者協会の体験教室として、3月から11月まで毎月1回、内記二丁目の市総合福祉会館で開くことを決めた。
初回は3人が参加して、弾き方の基礎からスタート。我流で練習をしていた植田さんは「本格的に教えてもらえるのでうれしい」とにっこり。初めてふれた塩見久子会長(77)は「音が出たときに感動しました。演奏を聞くことはあったけれど、自分たちでやれるなんて思わなかった」と喜ぶ。
講師を務める奥村支部長は「社協を通じて話を聞かせていただき、ぜひにと受けさせていただきました。健常者と同じやり方では難しい部分もあると思いますので、そこは工夫をしながら楽しく奏でてもらえるように、ゆっくりやっていきたい」と話す。
曲を覚えたい。ゆくゆくはみんなで演奏会もやってみたい。そんな希望を膨らませて、次の教室を心待ちにしている。
写真=大正琴の演奏を楽しむ視覚障害者たち
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