丹波のもみじ寺として知られる京都府福知山市奥野部の古刹・長安寺の景観保全に取り組む「長安寺保勝会」が、今年で創立80周年を迎える。昭和12年(1937年)5月に結成し、これまで寺一帯で、もみじの植樹などを進めてきた。9日には記念事業として、苗木100本を植える。
長安寺は室町時代に創建されたとされる。昔から、もみじがたくさん植わっていて、現在は境内や周辺に約500本があり、秋になると紅葉が美しく、多くの人が訪れる。
昭和11年に、市制施行を念頭に長安寺があった旧下豊富村と庵我村、雀部村を旧福知山町に編入し、翌年福知山市が生まれた。これを機に、多くの市民らに寺への愛着を持ってもらおうと、保勝会が創立された。
後に内閣総理大臣を務めた地元代議士の芦田均氏が名誉会長になり、荻野太兵衛氏が初代会長に就いた。
主な活動としては、長安寺境内や参道沿いにもみじを植栽。もみじ寺としての景観保全に尽くす。また過去には市民向けの文化講演会の開催、境内の墓地にある福知山城の2代目城主、杉原家次の墓の修理などもしてきた。現在会員は約250人。名誉会長として、地元選出の谷垣禎一・衆議院議員が就いている。
9日に植樹する100本のもみじは、福知山緑化推進委員会から寄贈を受けた。寺の入り口近くの参道沿いや長安寺憩いの家裏手の山にある霊園そばに植える。午前10時からで、保勝会員や同寺近くの修斉小学校児童、地元老人会員らが参加する予定。
日本さくらの会からも桜の苗木50本の寄贈を受けていて、今後境内に植えていく。
長安寺の正木義昭住職(58)は「もみじ寺として知られるようになったのは、保勝会のこれまでの活動のおかげです。これからも会員のみなさんや寺の役員らと力を合わせて守っていきたい」と言い、保勝会の奥田省三会長(76)は「市内には他にも保勝会があったが、今では長安寺だけになっています。今後も長安寺公園を含め、寺の景観を守るため、地道な活動を続けていきたい」と願う。
写真=長安寺のもみじは保勝会による植栽で美しい景観が保たれている(2016年11月撮影)
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