新年まであと約1カ月。京都府福知山市昭和新町の公益社団法人福知山市シルバー人材センター(塩見康郎理事長)の作業所で、正月用のしめ飾り作りが最盛期を迎えている。しめ飾り生産部(大槻日出雄総括)の部会員たちが、せっせと手を動かしている。
わら細工の熟練の技を生かし、8年前から独自事業として始めた。毎年、会員から注文を受けた分を中心に手がけている。
機械で稲刈りをするようになってからは、しめ飾りに使える長いワラが貴重になっていて、今年の分は三和町で確保した。ワラの香りが漂う中、生産部の15人のうち7、8人が14日から連日交代で通い、土・日、祝日を除いて朝から夕方まで黙々と作業をしている。
小学生のころから縄ないやわらぞうり作りをしたという「わら細工の達人」の間島正さん(83)=私市=が、うまく仕上げるコツを伝授。玄関などに飾り付ける「ごぼう」「めがね」「輪飾り」、それに「神棚用」の4種類を作っている。
部会員たちは作業を分担。ワラを細工しやすいように打って柔らかくしたあと、手に力を込めて縄をない、しめ縄のねじりが均等になるように丁寧に編み込む。
12月10日までにしめ縄部分を作り、23日から4日間で、縁起物の橙(ミカンで代用)、ウラジロ、紙垂などを飾り付けて仕上げる予定。今年は昨年販売実績の2294個より多い2470個を作るのが目標という。
■社寺から大きな飾りの注文も■
近年は市内外の社寺からの注文も増えており、今季は4・8メートルの長いしめ縄など8本も作っている。
作業には握力がいり、量をこなすと手が真っ赤に染まる。始めて6年目という土師新町南の主婦、渡邉満子さん(73)さんは「主にめがねを作っていますが、右ないと左ないの作業があり、今でも難しい。でも、家庭などで正月に飾られるものだけに、いい加減な作業はできません。飾る家庭に福が訪れるようにと願いを込めて作っています」と話す。
一部は12月27、28両日に、人材センター近くのシルバーショップで一般向けに限定販売する予定。
写真=黙々と作業をする生産部の部会員たち
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