難病の拡張型心筋症と診断された京都府福知山市蛇ケ端の後一尊ちゃん(1歳2カ月)を支援しようと、両親の友人や元同僚らが「たけるくんを救う会」(八尾正幸代表)を結成し、29日から本格的な募金活動を始めた。現在は小児用補助人工心臓を装着し、大阪市内で入院している尊ちゃん。一日も早い心臓移植が必要だが、国内では難しいため、両親は海外での移植を決断した。「家族がそろって笑顔で暮らしたい。願いはそれだけです。どうか温かいご支援を」
尊ちゃんは15年9月、充宏さん(32)と美優紀さん(26)の間に、次男として誕生した。平穏な日々を送っていた家族に、突然の出来事が起こったのは、生後4カ月を過ぎたころだった。
尊ちゃんの顔や手足がいきなり真っ青になり、うなるように泣いておう吐した。両親は慌てて救急車を呼び、市内の病院に搬送。すぐ心臓に異常が見つかり、大阪府内の病院に運ばれ、なんとか一命を取りとめた。
そこで医師から告げられた病名は、拡張型心筋症だった。心筋が伸びて、血液を送るポンプ機能が弱くなるもので、「薬による内科的治療で効果がない場合は、心臓移植しかない」と説明を受けた。
人工呼吸器をつけて、たくさんの点滴につながれている尊ちゃんの姿に、充宏さんは「あふれる涙をぬぐうことも出来ず、ぼう然と立ち尽くすしかなかった」。
その後も治療を続けたが、ついに尊ちゃんの心臓は限界に。心臓移植までの架け橋として、3月に人工心臓を装着する手術を受け、危機的状況からは脱出した。
それでも常に脳梗塞や脳出血などのリスクと隣り合わせ。感染症も引き起こしやすい。国内での移植は何年先になるか分からない状況で、両親は海外での心臓移植の道を選んだ。
アメリカのテキサス小児病院での受け入れが決まったが、心臓移植にかかる費用は、医療費や渡航費などで計3億2千万円と膨大。家族や知人らが立ち上がり、救う会として全国に支援を呼びかけることにした。
これまでに病院の外に出たのは、2回だけという尊ちゃん。美優紀さんは「常にベッドの上で生活しているので、体重は5キロほどしかなく、首も座っていない状態です。それでも必死に生きようとしている尊の命を、明日につなげさせてほしい」と願う。
■来月4日に市厚生会館前で街頭募金■
たけるくんを救う会では、12月4日夕方から中ノの市厚生会館前で、福知山で初の街頭募金に取り組む。これを皮切りに、市内各地でも活動を行うことにしている。
送金の場合は、京都銀行福知山駅南支店=普通預金、口座番号1052008▽ゆうちょ銀行=記号14420、番号49742191へ。口座名はいずれも「タケルクンヲスクウカイ」となっている。
■ボランティアスタッフ募集■
また救う会では、蛇ケ端の事務所運営のほか、市内外での募金活動などをサポートするボランティアスタッフを募っている。
人手が足りない状況だといい、「私たちの思いに賛同してもらえる人は、ぜひ協力を」と呼びかけている。
ボランティアの申し込みや問い合わせは救う会、電話(24)4455まで。
写真=闘病生活を送る尊ちゃん(両親提供)
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