福知山市の長田野工業団地に工業用水を供給する石原の京都府公営企業管理事務所（猪野健利所長）は25日、水道事故対応訓練をした。事故発生に伴う対策本部の立ち上げから、現地の復旧作業、団地立地企業への情報伝達など一連の流れを確認し、非常時の迅速な対応に備えた。

　訓練は毎年しており、水道管老朽化による事故が全国的に発生していることを受けて、今年は配水管漏水事故を想定した。

　府管理の長田野配水池には、水道管破裂による2次災害を防ぐために、漏水や地震を検知すると自動で水を止める緊急遮断弁を備える。

　訓練では、遮断弁が作動したとして復帰操作の手順を現地で確認した。弁は、配水管に直結して地下3メートル地点にあり、設置する空間は普段はふたをして密封状態。酸素濃度のチェックから始め、安全を確認してから府職員がはしごを降りて、弁を開くハンドルを回した。

　管理事務所に構えた対策本部では、作業指揮や受水企業への情報伝達などをして連携を図った。

　猪野所長は「緊急弁はこれまで実際に作動したことはないが、いざというときにはどれだけ早く動けるかにかかっている。今回の訓練は『初動』と『現場で実のある訓練』に重点を置きました」と話した。


写真＝長田野配水池で緊急遮断弁の復帰作業をする府職員