国土交通省福知山河川国道事務所は7日から、福知山市大江町関の宮川堤防のり面で、ヤギを放して雑草を食べさせる実験を始めた。市、地元と力を合わせての取り組みで、ヤギを活用することで除草の経費削減につなげるのが目的。12月中旬まで続け、効果があれば、本流の由良川堤防でも実施していきたいと考えている。
河川堤防の亀裂などの異常を発見するため、国交省福知山では、由良川堤防で毎年春と秋の2回、除草作業を業者に委託して行い、除草後に職員が点検している。この経費は年間で約1億2千万円かかっている。
このため経費削減と環境への配慮を考え、ヤギによる除草の試験を、京都府管理の支流・宮川堤防で行うことにした。
放したのは猪崎、三段池公園の市動物園から借りたヤクシマヤギとミミナガヤギの2頭で、ともに雄の2歳。体長約90センチ、体高約60センチ。宮川右岸堤防のり面(高さ9メートル)に、幅5メートル、延長150メートルの範囲でフェンスを設け、その中に放している。フェンス内にはヤギが雨をしのげるよう簡単な小屋も設けている。
ヤギの世話は、地元グループの大江まちづくり住民協議会(新宮七郎会長)のメンバーらが担当。水や塩を与えたり、ヤギの健康状態をチェックしたり、フェンスの具合も見る。
試験初日の7日には、堤防近くにあるげん鬼保育園の園児たちが訪れ、「ヤギさん、いらっしゃ〜い」と迎えた。堤防に放たれた2頭は食欲旺盛で、さっそくクズの葉などを食べていた。
住民協議会の新宮会長は「ヤギがいることで癒やしの効果もあります。将来的にはヤギの乳でチーズを作るなどの取り組みも模索していければ」と言う。
国交省福知山の齋藤信彦河川管理課長は「ヤギが何日でどのくらいの草を食べ尽くすか、その結果を見て、今後由良川堤防で放すことも考えていきたい」と話している。
写真=堤防に放された2頭のヤギ。さっそく雑草を食べた
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