サケが産卵のために回帰する日本海側で最南端の川・由良川へのサケの遡上が始まった。京都府福知山市波江の支流・牧川に設置された採捕網で27日、今季初となる雄1匹が捕獲された。今後、人工授精卵を地域の住民らに配布して飼育してもらい、来春、稚魚を由良川に放流する。
福知山や近隣市町の有志で組織する「由良川サケ環境保全実行委員会」が、サケを通じて由良川の環境に関心を高め、郷土愛を育ててほしいと活動をつづけている。
実行委から委託を受けた「サケのふるさと由良川を守る会採捕者の会」の3人が25日に網を設置。27日午前6時ごろ、サケが仕掛けに入っているのが確認された。
午後から、採卵、授精を担当する牧川養殖漁業生産組合の衣川務組合長が、水しぶきを上げながら勢いよく動く体長約65センチのサケをたも網ですくい、トラックの生け簀に入れ、養殖施設に運んだ。
■人工授精して飼育、来春稚魚を放流■
11月30日まで捕獲する予定。地場卵と新潟県上越市から購入する移入卵合わせて約5万粒を、希望する市民団体、地域公民館、学校や家庭などに12月初旬から配布し、ふ化させ、飼育する。来年3月中旬に稚魚を由良川に放流する予定。
昨年は22匹を捕獲したが、今年は50匹が目標。佐々木会長は「上流部で産卵が確認されていて、今年は多くの遡上が期待できます。サケは古里の川を忘れずに帰ってきます。活動を通じて河川環境を守る大切さを後世に伝えていきたい」と話している。
写真=大きく育ち、古里の川に帰ってきたサケ
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