山陰地方で最古の庚申霊場として知られる京都府福知山市寺町、曹洞宗・正眼寺(四方正道住職)が、境内の庚申堂にまつる御神体「青面金剛王庚申尊天」を修復した。普段は年初めの「庚申の日」に営む大祭の日にしかじっくり見ることはできないが、修復を記念し、特別に9月末まで本堂に置いて一般拝観ができるようにしている。
暦の十干の「庚」と十二支の「申」を組み合わせて60日ごとにやってくる「庚申の日」に、庚申様をまつる行事が古くから全国で行われている。
正眼寺の御神体は高さ約80センチの木彫りで、大宝元年(701)に全国で疫病死が流行した際につくられたと伝わる。交通安全、悪病退散の神として信仰され、毎年最初に迎える庚申の日に堂の扉を開いて大祭を営んでいる。
庚申堂は明かりがないため薄暗く、内壁修理の際に御神体を外に運び出したところ、ひどく傷んでいることが分かった。話を聞いた檀家からの特別寄付で修復できることになり、6月に専門業者の元へ。このほど晴れて寺に戻ってきた。
せっかくの機会なので、一般の人にも見てもらうことにしたという。四方住職は、修復前の画像と見比べて「こんなにきれいになって帰ってきていただき、うれしいです。大切にしたい」と目を細める。
住職は舞台照明のプロでもあり、堂内にLEDライトをつけて大祭の日に照らす。来年の大祭は2月2日。
住職らが不在の時があるため、拝観希望者は正眼寺、電話(22)3093へ連絡した方が良い。
写真=修復してきれいになった御神体
[PR]
株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232
著作権
このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。