WEB両丹

きょうあったいい話、夕飯までに届けます。京都府福知山市の情報を満載した新聞社サイト

タブメニュー

両丹日日新聞2016年9月 3日のニュース

水の力で精米 小型の唐臼小屋を田に設置

精巧に造った唐臼小屋 京都府福知山市夜久野町才谷の田んぼ脇に、水の力を利用して、てこの原理で米や雑穀を精製するための小型の「唐臼(からうす)小屋」が置いてある。近くに住む中島尚之さん(80)が製作。実際に水を引き、精米などができるようになっていて、道行く人たちが珍しそうに眺めている。

 中島さんはこれまでから本業の建築業の合間を縫って、依頼を受けて水車小屋を製作。唐臼小屋も造ってきた。

 今では珍しくなり、どこでも注目を集めることから、「大勢の人に見に来てもらい、地域の活性化につながれば」と、5月ごろから作業を始め、約2カ月かけて完成させた。

 小屋は幅約1メートル、奥行き約60センチ、高さ約80センチ。骨組みは木材で、屋根部分はわらぶき、ひさしにはススキの穂を敷き、外壁は杉皮を貼っている。

 近くを流れる川の上流から小屋のそばまでホースでひいた水を、てこの先に着けた器に流し、たまる水の重さを利用して、小屋内の杵が上下に動き、臼の中の米などをつく仕掛け。水をためる部分が勢いよく倒れる様から、「バッタリ小屋」とも呼ばれている。

■地元を愛した義母の供養にと製作■

 小屋を作ろうと思ったきっかけは、今年1月に同居していた義母が亡くなったこと。義母が若い頃は唐臼小屋が各地で活躍していたほか、地元を大事に思っていた人だったことから、供養になると思い立ってのことだった。

 小屋のそばには義母に似せて作ったかかしを取り付け、小屋や義母のことを詠んだ川柳「水唐臼(バタリ)小屋 老母の背なに 杵の音」を木板に記して掲示している。

 水を流す時間は毎日午前7時から午後7時ごろまで。小屋は今月中ごろまで設置しておく予定にしている。

 中島さんは「しばらく唐臼小屋は造っていませんでしたが、体に造り方が染みついていたので、何とか完成させることができました。水の力で動く仕掛けを多くの人たちに知ってもらえれば」と話している。


写真=精巧に造った唐臼小屋を眺める中島さん

    

[PR]



株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232

著作権

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。

購読申込 会社案内 携帯版 お問い合わせ