福井県高浜町の高浜原発から30キロ圏内の緊急時防護措置準備区域(UPZ)に入る京都府福知山市大江町の小中学校教職員を対象にこのほど、放射線教育実践セミナーが開かれた。波美の大江中学校に約40人の教職員が集まり、座学や実験を通じて、放射線についての正しい知識を身につけた。
経済産業省近畿経済産業局が、昨年度から、UPZに入る京都府内と滋賀県の小中学校で実施している。大江では大江中学校、美河、美鈴、有仁3小学校の教職員が受講した。
セミナーは近畿経産局の委託を受け、一般財団法人大阪科学技術センターの職員が講師を務めた。
最初に橋本一・普及事業部副部長(40)が放射線誕生の歴史や種類、医療現場での利用などについて説明。放射線が人体に及ぼす影響についても触れた。
放射線から身を守る方法としては、放射性物質がたくさんある場所から、できるだけ遠くに離れ、透過性の低いコンクリートの建物に避難することなどを話した。
講話の途中では、「霧箱」と呼ばれる装置で、放射線の飛跡を見る実験もあり、教職員たちが懐中電灯を当てながら観察した。また塩などから出る放射線の測定もした。
校区の一部がUPZ区域に入る有仁小の衣川博校長(57)は「放射線は怖い、というイメージだったが、話を聞いて不安が少し和らいだ。学んだことを児童らに伝え、学校の避難方法策定などにも役立てたい」と話していた。
写真=霧箱で放射線の飛跡を見る教職員たち
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