市街地の広範囲が浸水するなど、福知山市に大きな被害をもたらした8・16豪雨災害から2年が経った。隣り合わせの丹波市でも、山が崩れて土石流が家屋を襲い、国道の橋が落ちるなど、やはり、大きな被害を受けた。復興3年目を迎えるにあたり、「前向きに取り組んでいこう」と27、28両日に市島町上田のライフピアいちじま一帯で復興イベントが開かれる。
市と県が連携して、道路、河川、治山、砂防、農地などの復旧工事372カ所のうち、これまでに94%にあたる350カ所で着手し、314カ所を完了させた。
特に治山事業は県の39カ所、市の28カ所がいずれも100%完了した。
生活再建の面では、公営住宅に一時避難していた人が、最大時には44世帯123人いたが、今年7月末現在では10世帯28人にまでなった。9月末には5世帯14人に減少する見込みという。
被災者の生活再建へ向けては、家屋に半壊以上の被害を受けたが、まだ生活再建支援金の申請をしていない人や、公営住宅一時入居者らに、市が個別に「復興カルテ」を作って課題や不安要因を整理してフォローしている。
■中越大震災の村に取り組みを学ぶ■
また、復興にあたっては、中越大震災から「奇跡の復興」を遂げた新潟県長岡市の山古志木籠集落、十日町市の池谷集落を参考にした。同じ中山間地で、もともと人口減少が続いていたところへ大規模災害が襲い、人口流出の急加速が懸念されたという点が共通している。
両集落では若いボランティアたちを積極的に受け入れ、交流人口を増やすことで地域の活気を維持。丹波市でも大学生ボランティアらを呼び込むなど、交流人口の拡大に力をいれてきた。
■百円縁日や花火鴨レースなど■
27、28日の復興イベントは、さまざまな催しが企画されているが、全て「交流」がベースになっている。
27日は午後3時から7時にかけて住民らの実行委員会による「芝生イベント」。ライフピア前の芝生広場を会場に百円縁日、鴨レース、風船とばし、ステージイベント、花火などがある。山古志、池谷からの出店もある。
28日は午後1時からライフピア大ホールで「丹波市から始めるふるさと創生シンポジウム」。元NHKニュースキャスターで千葉商科大教授の宮崎緑さんが「ハートウェアによるまちづくり」と題して基調講演をし、山古志、池谷、丹波市で地域おこしをしている人たちがパネルディスカッションする。
問い合わせは電話0795(85)4622、丹波市復興推進室。
写真=治山工事が行われた市島町徳尾(丹波市撮影)
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